総合型選抜の回想(工学院)【ばっさー の場合】

皆さんこんにちは。リレーブログ2日目です。本日は、iGEM Tokyo Techのばっさーがお送りします。

今日のテーマは昨日に引き続き「東工大総合型選抜の回想」です。 私は、iGEM Tokyo Techer唯一の工学院の学生です。入試方式は、工学院の「総合型」でまた「地方勢」なのでそのどちらかに属する人の助けになればと思っています。

第一次選抜の発表

私のときは、月曜日に一次選抜の結果が公開されて金曜日に試験があるという日程でした。一次選抜には自己採点が間違っていなければ絶対受かるという自信があったので、過去問は解いていて、工学院の総合型の過去問は全て既に解いた状態で一次選抜の結果公開を迎えました。それまでは、二次試験の対策も並行してやっていましたが、一次選抜の結果を確認してからは総合型の対策に9割のキャパを注ぎました。やったこととしては、総合型の過去問の確認と物理の20カ年、数学物理の教科書の確認を永遠とやっていました。工学院の総合型の傾向として数学中心と物理中心の大問が2つあり、数学中心のほうは基本事項からちょっと大学範囲に踏み込んだ応用問題を出し、物理中心のほうは昔の東工大や東大の一般入試に似た雰囲気の問題を出す感じがあったのでそのあたりをやっていました。

ここはどこ⁇

そうして時は過ぎ、入試の前日になりました。私の地元は九州なので、昼前の飛行機で東京に入りました。その時東京は雪が降るとか降らないとかいっていて飛行機が出るかと心配していましたが、無事羽田空港に辿り着くことができました。しかし、地方勢にとってここからが問題です。私はそれまで東京の電車に乗ったことがなくてとんでもなくビビり散らかしていました。羽田空港→(京急)→品川→(京浜東北線)→大井町→(東急大井町線)→大岡山→東工大という風にスマホ片手になんとか東工大に辿り着くことができました。東工大では会場の下見をして大丈夫そうだと一息ついて宿泊予定だった大井町線沿線のホテルに向かいました。行きは、大丈夫だったし東京の電車って意外と余裕だなぁとか思いつつ止まっていた電車に乗り込みました。席に座っていると何かおかしいのです。なんと行きと反対向きの電車のはずなのに窓の様子が違っていました。急いでグーグルマップを見てみるとホテルと別の方向へ自分の現在地が進んでいます。そう、大岡山駅は目黒線と大井町線が乗り入れる駅で私は目黒線の方に乗ってしまっていました。急いで次の駅で電車を降り、大岡山に戻り、ホテルに向かうことができました。本当に試験当日ではなくて良かったですが、こういったことがあるので駅の表示をしっかり見ましょう
ホテルの部屋では、ずっと面接でいう志望動機の練習をしていました。夜になりご飯を食べシャワーを浴び、少し教科書と過去問の確認をした後、明日の天気の確認をし、アラームをしっかり掛けて少し早めに寝ることにしました。寝坊はしたことがありませんでしたが、冬の暖かい布団の中で二度寝して出発時間ギリギリになってしまうことは何度もあったのでフェイルセーフということで対策を立てていました。

筆記試験開始

一番の懸念点だった起床は無事突破し、ホテルをチェックアウトし大岡山キャンパスに向かいました。前日の夜雪が降っていたので歩いて行くことも覚悟していましたが、電車は動いていたので安心しました。前日のように電車に乗り間違えることもなく、無事試験が行われる教室に到着しました。試験開始までは時間があったので最後の確認をしていると、試験官らしき人が入ってきて問題と解答用紙(A3の白紙)を配られました。2時間の試験の始まりです。問題を見てまず思ったのは、「うわっ、複素数だ…だけど、え?物理は東工大の過去問のまんまじゃん!」ということでした。このとき、複素数はあまり得意ではなかったことと物理が解いたことのある問題だったことから、数学はサラッと解いて物理を丁寧に解くことが決まりました。案の定複素数は最後の一問だけ分からなかったけれど、物理はなんとなく見たことのある答えで埋めることができ、時間も15分くらい残して解き終えました。見直しをし終わってそこで試験終了。手ごたえは、それなりにありました。その後の昼休みはご飯を食べて面接の対策をしていました。

ピンチは突然…

面接は、寒い中5分くらい歩いて移動して別の棟で行われました。全員一つの教室に通されてそこで面接の内容が自己アピール3分のあと問題を渡され5分で解き7分間解説する口頭試問があるということを教えられました。受験番号で順番が決まっていて、必ずしも早い番号だからといって早く終わるわけではなかったです。私は、最後の方だったのでそれまで自己アピールをずっと練習していました。周りは私大の過去問を解いている人や寝ている人がいました。20分ごとくらいに控室から10人くらい消えていきます。冷汗が出てきそうになる中、とうとう私の番になりました。久しぶりに心臓がバクバクなっていて一方で少しハイになった気分で試験官の前に座りました。自己アピールは少し噛んだけれど問題なく言い終えることができました。そして口頭試問です。試験官から問題とペンをもらい、解けたら後ろにあるの説明用ボードに書いていいといわれてスタートしました。問題を開いてみると、物理の振り子の問題がありました。震える右手を抑えながら問題を解いていきます。いつもなら絶対解けるはずなのに緊張のせいか最後まで解き切れず解答時間は終了。考えながら解説するしかなくなってしまいました。解説の最中、小問3問立てで(2)の途中であることに気づきます。どうやら計算が合わないのです。慌てて(1)を見直してみると力の図示で図示していない力があることに気づいたのでした。「あ、ちょっと戻ります」といって(1)の図示を追加すると試験官が手元の紙に思いっきりチェックを付けていたので、多分加点式で採点してくれているんだなぁと思いながら続けました。結局(2)から暗算しながら解説することになったのですが、無情にも(3)の答えが出る直前で時間切れになってしまいました。その後試験官からの質問で最後まで解いてくださいと言われたので解きましたが、結局ふわっとした答えしか出せず。煮え切らない中試験室を後にしました。その後は、一旦集められて解散となり、ぼーっと歩いていると最後の問題の答えが出ることに気づいて押し寄せてくるのは後悔ばかり。受かるか落ちるかは五分五分だと思いながら羽田空港へ向かいました。皆さんに伝えておきたいのは、とにかく考えることをやめないことです。問題は東工大総合型の受験生であればきっと解けるはずの問題なので緊張していてもしっかりと問題と向き合って考え続けましょう。そして、試験官との対話を続けることです。たどたどしくても声が出なくても伝え続ける努力を続けましょう。言葉で伝えるのが難しいのならボードに数式や図を書けば自分の考えも整理できて伝えやすくなると思います。黙り込んでしまうのが一番良くないことです。

最後に

合格発表まで1週間もなかったわけですが、その期間は勉強に全く身が入らず、受かっているか落ちているか知りようがないことをぼやっと考えていました。おそらく私は総合型で落ちていたらここにいなかったでしょう。総合型受験生の皆さんには試験後しっかり気持ちを切り替えてほしいです。
総合型の合格発表の後、友達に勧められて調べたサークルがiGEM Tokyo Techでそのまま加入することになりました。この記事をご覧になっている皆さんがどうやってこの記事を見つけたのかは分かりませんが、ここで出会えたのも何かのご縁。何か一つでも参考になることがあれば嬉しいですし、4月に皆さんとお会いできることほど私にとって嬉しいことはないです。皆さんの健闘を心から祈っています。

ファイト!