この投稿は,iGEM・Synthetic biology(合成生物学)・Japan Advent Calendar 2022の11日目です. 著(iChemy)はiGEMの世界に入ってまもない素人(Dry)です,ので暖かい目で気楽に流し読んでいただけると幸いです🎄メリクリ.
本日は,そろそろiGEM TokyoTechが❄️秋新歓❄️を迎えるということで, もしiGEMに興味を持たれている方でお近くのiGEMチームに入ろうか悩んでいる方がいたら, そんな方々に私たちがどのような経緯iGEMに参加したのか, そして2022の活動 (i.e.初めてのiGEM) はどのようなものであったかをお伝えすることで何か決意を後押しできればと思いこの記事を書いています.
前置き : 生命系以外も輝けるiGEM
思ったより長くなってしまったので読み飛ばしてくれて構いません.
iGEMを合成生物学の大会と聞くと生命系の学部に入ってる方達しか 参加してないんだろうなという印象を持つのではないでしょうか. 実際大部分がそうであることは間違いないのでしょうが Track Awards や Special Prizes (~賞や「~部門で最も優れていたのは..」みたいなもの) の中にはSoftware & AI や Hardware, Modeling など生命系以外の学部の方でも輝けそうな響きのものがありますし,実際活躍もされています. 例えば今年の BEST HARDWARE を受賞したチーム(INSA_Lyon1)の wiki の Hardware ページを見てみると,
After roughly drawing the designs of the box on paper, and constructing a prototype, we reached out to a mechanical engineering student. He helped design and adapt our prototype for real construction, after a few more specifications. 1
とデバイスのデザインを機械工学の生徒の手伝ってもらったという記述があります.
言ってしまうとiGEMは”合成生物学という学問を研究して極める大会”というよりは ”遺伝子デバイスをただいじるのではなくそれらを利用したシステム全体を設計しその応用を目指す”2もの, 合成生物学の未来を見据えた大会なのです.
前置きが長くなりましたが,そんな中でiGEM TokyoTechの 2022年のプロジェクトは今までやってこなかったHardwareに 取り組むというチャレンジングな年となったのですが, 今回はその Hardware を担当された工学部のハード君(仮)と一緒に今年のiGEM TokyoTechでの活動などについて お話しする時間をいただきましたのでその様子をお伝えし TokyoTech の Hardware について興味を持っていただけたら嬉しいです.
※謝辞: この記事を書くにあたってお忙しい中相談に乗ってくださったハード君及び関係者の皆様に心より感謝申し上げます.
対談
著 :「それではよろしくお願いします」
ハード(以下ハ) :「お願いします」
著 : 「iGEMは合成生物学の大会でと聞くと,工学部には敷居が高いように感じられたかもしれないと思うのですが
何か入る決め手になったものみたいなことはありますか」
ハ : 「高校時代の友達が生物部で面白そうだなと勧められもしました.
学校の関係でで高2までは生物をやっていたのもあって…」
著 : 「ではプラスミドとかそういう合成生物学でよく使われるような用語とかも聞いたことあったり?」3
ハ : 「プラスミドとかそういう言葉自体も知ってましたね.
どちらかというと最初はDryに入ろうとしていた節がありましたね.
iGEMの新歓が体感ですけど早かったように感じてそれで参加して(体育会系に入るつもりはなかった)
文化系しかないかなとは思っていたんですが,
あとは違う学部の人とも関わってみたいと思ったのもありますね.
」
著 : 「なるほどです4.では入って Hardware に進もうとしたのは,何かそういう経験があったりしたのでしょうか.」
ハ : 「今年から Hardware もやりたいということを聞いて,工学院というのもあって運命を感じて.
事前知識とか,本格的に機械を作ったことはないですね.
あるとしたら折り紙教室くらいしか物作りはしたことないですね.
高校時代は課題研究とか機械に触ろうと思ったら触れる機会もありましたが、数学とか別のことやってましたね
」
著 : 「すごいですね.(ノウハウもないと自分だったら逃げ出したくなるな).でもやはり大変なこととかあったりも?」
ハ : 「実際やってみるといろんなところで詰まりました.もう茨の道.
生物の専門を極めている方々とコミュニケーションがうまく取れなかったりとか.
シンプルに Hardware の知識がなかったというのもありますね.
」
著 : 「そんな中で今年は設計してプロトタイプまで完成させることができたというのはすごいですね5.何かプロジェクトで良かったこととか」
ハ : 「実際に合成生物学の実験をするというのは実物を見ることができないかったり,
Dryはdebugとの戦いで意図が通じないことがあったりするじゃないですか.
対して Hardware は設計した通りに物が作れてそれが機能しているところがはっきり見えるという達成感は大きいですね.
」
著 : 「確かに,私は Dry 担当ですが wiki の実装はまさになんか動けばいいやでしたね…(本当はよくないんですが,,,)」
ハ : 「あとは,tax_free君がすごかったですね
彼がいなかったらプロトタイプまで完成しなかったかもしれないですね.
Hardwareに関する解析は彼が全部やってくれました6.」
ハ : 「あとは他のチームみたいに電子基盤とか使ったり電子回路作って,電子機器とか繋いだり
他クラブとかの手を借りれたりしたらいいですよね.
」
著 : 「 そういうの面白そうですよね.このチーム(先出のINSA_Lyon1)とかまさにそんな感じのことやられていて.
来年こういうことできたらいいなとかね
」
ハ : 「生命系に限らず
もう少し生命系以外の広い学部の方たちにも来てほしいですね.
」
著 : 「本当来てほしいです.(wikiの実装手伝ってください🥹)」
ハ : 「そうですね.あとは今年はプロトタイプまでだったので
あとはtax_free君に全部任せてた部分を Hardware 内だけできるようにしたいですね.
」
著 : 「最後にこのチームの Harware は面白かったとかそういうのあったりしますか?読んでみるといいよみたいな
」
ハ : 「 あーそれなら2022年の Track Awards の BEST DIAGNOSTICS PROJECT にノミネートされていた
IISER-Tirupati_India
の Hardware が面白かったですね.図だけでも目を通してみてほしいですね.
自分達の Hardware と蛍光を検知す流という点で似通っていますし.
」
著 : 「なるほど!! Hardware の門を叩こうと思っている方にはぜひ見てほしいですね!
何かも参考になるかもですし.
本日はお忙しい中,とても貴重なお時間をありがとうございました
」
ハ : 「こちらこそ!」
iGEM TokyoTechは(TokyoTechに限らずだと思いますが)生命系の学部の方に限らずいろんな メンバーを募集しています. 英語でのスピーチが得意な人, Hardware や Dry (モデリングとか wiki 実装とかやってます)に興味がある人, とりあえずiGEMに興味がある人,その他もろもろ! 新歓の情報などはこちらのtwitter等からご確認ください. 他チームのtwitterはこちらの advent calendar 1日目の記事をご覧ください.また他のadvent calendearの記事もよりiGEMについて深く知る助けとなると思いますのでそちらもご覧になっていただけると嬉しいです.
| INSA_Lyon1 - iGEM 2022 https://2022.igem.wiki/insa-lyon1/hardwareより 2022/12/11閲覧 ↩︎
iGEM https://igem.org/about-us/our-vision より 2022/12/10閲覧 ↩︎
著の最終生物歴は中3で覚えてなかった,というよりかプラスミドという言葉自体iGEMに入るまで聞いたことがなかった ↩︎
ちなみに著は新歓でもらったビラがキレイだったので入りました(他のサークルに比べてあまりにキレイすぎてそのビラばかりを見ていたからなのかもしれません,本当にそれくらいキレイでした) ↩︎
今年のiGEM TokyoTech の Hardware のwikiはこちら https://2022.igem.wiki/tokyotech/hardware ↩︎
彼は本当にすごいです.彼が書いた記事もあるのでぜひ読んでみてください. ↩︎